夏期講習。

おかっぱ

2011年08月09日 12:27

今日のようなカラッとして心地よい風が吹く日には中学生最後の夏をよく思い出す。中学3年生の夏といえば高校受験に向けての大切な夏。それまで特に塾や習い事をしたことがないワタシもさすがに学力というものを初めて気にしだしては親に頼み込んで「夏休みにはぜひワタシを夏期講習に入れてください!」と切望した。そして40日間もの長い夏休み、朝9時から夕方5時まで、弁当持参のみっちり8時間をとある塾にお世話になったのである。そして塾とはいっても田舎の僻地に塾なんてたいそうなものは無いので、夏休みの間だけとある施設の一室を拝借して県外の方から有名な塾講師を招き入れて、集まった生徒を指導する、という本当に夏限定の塾だった。学校の慣れ親しんだ机や椅子とは違い、用意された一室には会議室用の長テーブルに、所々錆び付いた鉄パイプの椅子。座るポジションを間違えれば取り付け金具がキコキコなって勉強の邪魔をする。そして室内はエコとは程遠いほどにガンガンに効いたエアコン。そのヒンヤリした空気の中に「受験っていうのはなぁ~!親のためやないんや~!自分の将来の為に励んでこそ結果がついてくるんやぞ~!」と関西弁の塾講師の声が外に漏れんばかりに響きわたる。そんなアツい講師と自分との温度差にちと疲れてきて窓の外に目をやれば、キラキラしたエメラルドグリーンの海が一面に広がり、沖には漁に向かうボートが何隻か水平線に向かってゆっくりと進んでいる。今改めて思い出すと勉強の内容は全て消え去り、その夏の空の青やパイプ椅子の座り心地や鉛筆や消しゴムがだんだん小さくなっていく達成感しか思い出せない~。でもそういうのって大人になってもちゃんと残っているのだな、としみじみメモリーを噛み締めたり。そしてあの頃のようにがむしゃらに何かに向かって勉強することはもう無いのだろうか・・と自分を憂いたり。15年経った今は息子の夏休みの宿題に追われる毎日ですケドね。でも「夏=勉学や宿題に追われる日々」という独特の文化はずっと引き継いでいきたいものですね~。脱!ゆとり教育ですよ、ホント。今ドキの子は本屋に行けば「自由研究キット」なんて売ってるんでしょ?アマいわぁ~!甘いわぁ~!フレンチなジュテームくらいにあまいわぁ~。自由研究といえば「生物の標本」でしょ?虫捕まえてお菓子の箱にピンで貼り付けて、まわりを綿でフワァ~って飾るのがベーシックでしょ?・・因みにワタシは「海の生き物」と称して貝がらやらヤドカリやらを箱に詰めて持っていった記憶がありますけど。でも夏休み明けの学校に持っていく頃には異臭が漂ってて・・ちょっとした嫌がらせでしたね、あれは。・・皆さんも夏の思い出ありますか?ワタシも今夜は旦那の「夏の思い出」を過去20年分事情聴取してみたいと思います~。旦那の甘い記憶よ、出て来いやぁ~!

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