2012年10月10日
おりがみつき。
相変わらずハサミを持ちチョキチョキしている今日この頃。昨日も娘ちゃんの園で作業に追われていたワタシの横に、秋休みを持て余す顔見知りの男の子がフラリと近づいてきた。「なにつくってんの?」と言うその子に対し、ワタシは手を止めずに「プログラム作ってんの」とボソッという。こういう時にワントーン声を上げるのは苦手だ。そしてその子は「ふーん・・」と言いつつも側でワタシの作業をジーッと見ていたり、折り紙でひこうきを折ったりして時間を消耗していた。そしてお互いに微妙な距離感で、微妙な時間が流れていたある時、その子が急にワタシに「はい、これプレゼント」とこの絵をプレゼントしてくれた。一瞬ギョッとしたがこの絵は今、巷を賑わすあの機体。そう、この男の子の通う小学校は、この機体が校舎の上空を飛ぶということで有名なあの小学校なのだ。それを知っていたワタシは特に驚くこともなく「へぇ~上手に描けたね」とマスク姿で花沢さんのようなダミ声でほめた。するとその子はせきを切ったように「運動場からこう見える」と言ったり「音あんまりうるさくない」と言ったりして、身振り手振りで様子を話してくれた。そしてその全ては、何の情報にも惑わされていない、純粋な感想。混じりけの無い本当の声。“そこにあるから”という興味の対象でしかない子供の目線、だったと感じる。そして“その絵をただ褒めてくれた”ということだけが、男の子の喜びだったんだろう。次から次へと折り紙は画用紙の役割へと変わっていた。その時にワタシは、やみくもに怖がってはいけないという事を知る。子供はその声を耳にした途端に真に受けてしまっただろう。この機体の絵を描いたら「不謹慎だ」とか「別の絵を描きなさい」と言う大人もいるだろう。でも子供から興味を奪ったら何が残るのか。男の子にとっては「カッコイイ飛行機だ~」の一機に過ぎないだろうし。そして道を歩けば「見つけた~」と飛んでいる機体を指さしてまるで一番星を見つけたかのように得意気になっている子供までもいる。これを「かわいそう」と思うのは一部の大人だ。これを「やめさせたい」と思うのも大人だ。でも子供は無邪気にこんな事さえも知恵つけて遊んで、描いて学んで、知って覚えようとしているのだ。見方は人それぞれだけれど、ワタシはこの子に「へぇ~上手に描けたね」と確かに言った。そしてその子は得意げに笑った。それだけの話。誰がどう思おうと構わない。おりがみつきの真実。


Posted by おかっぱ at 17:09│Comments(0)
│ワタシノシュミ