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2013年01月26日

無味無臭。

昨日、書店に行きました。1階の新書コーナーで立ち読みしていたら、ワタシの横にスッと男性が立ち止まり、平積みにされた一冊の本を手に取りパラパラと読み始めました。自分では“パーソナルスペースが狭い”と思っているワタシは、本屋などで近くに人が寄ってもさほど苦には感じないのですが、男性はワタシの肘があたるほど近くで立ち読みを始めたのです。「そ、そうきましたかっ」とさすがに始めは戸惑いましたが、互いのパーソナルスペースを図りながらも、そのまま立ち読みを続けました。ジロジロと顔は拝見できないけれども、恐らく60代くらいのロマンスグレーな髪が素敵な紳士。左の視界には紺色のテロテロしたスーツ生地が目に入る。そして紳士はあたり一面にポマード臭を放ち、並ぶ本や通り過ぎる人にプンプン漂わせていました。ワタシは手に取った本の一行一行に目を通し、その内容に集中していたけれど、ポマード臭は思った以上に強敵でワタシを現実世界に連れ戻そうとします。そしてしばらくするともうワタシは本を手に持っているだけで、集中力は欠け、完全にポマード臭に気を取られていました。「シュッとした縦長の紳士から放たれるテロテロのポマード」・・悪くない。というかステキでした。本の内容がぶっ飛ぶくらいに記憶に残ってしまいました。恐るべし、ジェントルマン。
本を読むときや、何かに集中する時にはワタシ自身できるだけ存在感を無くそうと心がけています。その方がより取り入れやすかったり、先入観が邪魔しないような気がするからです。けれどもあらゆるものを取っ払ってる時に、嗅覚や視覚を刺激されると、まぁ印象に残ること残ること・・「本を買わずに、B1階の量販店で香水買っちゃおうかな~」と一人で右往左往してしまいました・・。

先日クッキーを焼きました。「腹持ちが良くて、栄養も摂れるおやつを」とオートミールクッキーにしました。一回目に焼いた時にはバターと卵を入れたのですが、乳製品NGな旦那が食べたら「おなかイタイ・・」とギブアップ。結局、誰も手を付けずじまい。それから数日後、リベンジに!と乳製品を一切加えないレシピに改め、三温糖と米粉とオートミールやレーズンのみで焼いたこのオートミールクッキー。乳製品と一緒に存在感も省かれてしまったのか、またも誰も手を付けず今日で3日間放置されています・・。

やっぱりクッキーも人も嗅覚や味覚などで「ここにいるぞ~」と存在感を放つほうがいいんでしょうかね。無味無臭じゃいかんざき、とクッキーや紳士に教わったようなここ数日でした。そして今日は空の霞みも抜けたような。そうだ、城跡に行こう。
無味無臭。




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Posted by おかっぱ at 11:02│Comments(0)ワタシノシュミ
 
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