図書館三昧。

おかっぱ

2013年04月07日 07:47

きっかけは一枚の絵でした。日本画のような屏風のような大きな絵を“筆まんじゅう”こと山田五郎氏が紹介していたのをテレビで観ていたのです。会田誠さんという現代アートを代表する画家が描いた「紐育(にゅうようく)空爆之図」を見た瞬間、ワタシは感動や驚愕や、喜びや悲しみや痛みや怖さを含んだ、表現できないほどの衝撃を体感したのです。人が素晴らしい絵を目の当たりにしたとき、知識や教育や常識も一切要らないとワタシは思います。絵と対話する瞬間があると肌で感じます。ワタシは一人の人間として単純に、この絵にただただ惹きこまれてしまったんです。どうしようもなく目が離せなくなってしまったのです。何をしていてもどこにいても、ふとした瞬間この絵が頭に浮かんできます。アートについてうんぬん語れるほど目が肥えているわけではありません。歴史や背景を学芸員のように説明できる柄じゃないことも重々承知しています。けれども、ワタシはこの絵をみてしばらくたった今も高揚してやみません。そしてこの絵はいつまでも胸に焼きついていると思います。

きっかけに始まり、それからというもの、あれやこれやと関心のあることについては、やっぱりネットよりも図書館最強説が再浮上しています。あししげく通っている市の図書館では飽き足らず、最近は那覇市にある県立図書館にも足を延ばす日々です。行ってみるとワタシにとっては極上のユニバーシティー。ぜひとも宿泊プランをお願いしたいくらいです。かといってインテリジェンスに浸かるほど本を読み漁るわけではなく、その空間を味わっている時間が大半の冷やかしリピーターではありますが。名だたる書籍や文庫本というよりは、指南書や解説書などの読みやすい本についつい手が伸びてしまいます・・そして県立図書館に一人で行く際には、2階の資料館はめくるめく世界です。過去の新聞なんて、手紙を読み返すように懐かしい書体と文面に惚れ直してしまいますよ。その時代の風土や流行を知る上で新聞は、過去からの手紙そのものです。

ひとつの作品から派生して、あれについて勉強したい、これは本当はどうなんだろう、と検索ではなく書棚から探すのはなかなかにして止められない作業です。本屋さんでも図書館でも、手が届かない場所に手を伸ばす。背伸びしてふくらはぎがピキーンとなっても涼しげに読みふけましょう。

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