ころこりほりほる2

あれは11年前のバレンタインデーのことだった。まだ知り合い程度だったとある男性に手作りケーキを渡そう！と試みて慌ただしい中フォンダンショコラのレシピ通りに材料を買い揃え、慣れない手つきで１人お菓子作りをしていたワタシ。「あとはオーブンで焼くのみ！」と思った時、ラッピングの準備をする事をすっかり忘れていて180度のオーブンで30分ケーキが焼き上がるまでの間、その場を離れラッピングを買いに車を走らせた。そして30分を遥かに超えて家に戻った時、何やら家からモクモクと煙が立ちのぼっている・・「おや？バーベキューでもしてるのかな？それとも今夜は焼き魚？」と思いながら家に入るとそこには煙だらけの台所に黒煙だらけのオーブンがぁぁああ～！そして「アンタ何したの！」と怒り狂うオバァの仁王立ち！そう、ワタシのフォンダンショコラが何故か失敗して焼け焦げてしまったらしくオーブンから黒煙が出ていてオバァが飛び起きたんだそうな・・その時、夜の10時過ぎ・・そして残されたのは尋常でない焦げ臭さの台所と、「ゴメンネ～！ごめんよぉ～！」とひたすらペコペコ謝りまくるワタシと、成功したらば直径18センチのホールケーキになるはずだった溶岩ボールのような真っ黒な固まりがオーブンの中に１つ・・さて、どうしよう？さて、アナタならどうする？ワタシは結局その男性に手作りケーキを渡すのは泣く泣く諦めて、一緒に添えて渡すはずだった「ポロクラブのフェイスタオル」だけを渡しました～。それを受け取った時、その男性は「ん？チョコは無いの？」と思ったそうでやんす・・あれから11年経った現在、そのフェイスタオルは今は我が家のタンスの奥のほうにひっそりと収まっております～。そしてあれから幾分かはワタシの料理の腕も上達してショコラケーキもほらね、しっかり焦げること無く焼きあがっておりますよ～。あの時の砕け散ったフォンダンショコラの魂もこれで浮かばれることでしょう・・旦那よ、今夜はケーキを存分に召し上がれ～！