ころこりほりほる2

「もう会えない」と知ってからその人との思い出を振り返ったり、何気ない会話や笑い顔や勉学に勤しんだ頃の記憶や色んな事を思い出したりすると自分の不甲斐なさや後悔ばかりが先にたちます。でもそれと同じくらいに「こんなにたくさんの思い出を共有できて私は幸せです」と、感謝の思いもとめどなく溢れます。別れというのはただ体が別の形に変わるだけのこと。心はいつまでもそれぞれの胸に残っていてきっと繋がっている。時に息を荒げて動いたり、時には深呼吸して空気の美味しさを感じたり、日々のほとんどは無意識に呼吸をしながらも、ワタシは毎日誰かの記憶になって生きているんだ、と気付きます。そしてそのありがたさが、刹那の積み重ねが、今日という日は身に染みます。心の中にある思い出や記憶やありとあらゆるものはいつでも取り出せるように引き出しの奥にしまっていてその容量には制限がないはず。でも悲しいかな、そう言っている今も正直記憶があやふやだったり、おぼろげな思い出をひっくり返す作業ばかり繰り返してしまいます。そして知っていたはずなのに“もう戻れない”という現実はどうしようもなく寂しくて、どうしようもなく切なくて、どうしようもなく悲しい。でもそれと同時に出会えてよかった、という思いが溢れては一緒に過ごせたことの素晴らしさを言葉に表せないくらい感じています。あなたがどんな形になろうとも、残してくれた思いや優しさは私達それぞれの胸にずっと。笑顔と温かさと屈託ない人柄は記憶にずっと残っています。生きるということは、感じること。伝えること。はき出すこと。熱くなること。想うこと。生き続けるというのは、それらが誰かの胸に残ること。そこはもう目に見えるものがあろうがなかろうが関係はない。確かに私の胸にはあるのだから。残念だとか、無念だとか、突然だとか、若すぎるとか、会いたいとか、寂しいとかいう思いは今は言わないでおこうかな。一つ出すとあれもこれもとどんどん溢れてくるからね。今はただありがとう。本当にありがとう。出会えてよかった。一緒に見たこの景色を私も仲間もずっと大切に守っていくからね。また一緒に見れるといいね。あの頃の記憶と思い出はずっと冷めずにいつまでも胸をほんわか温める。あなたの笑顔のように。この先もずっと。