2012年11月28日
嗅覚。
深夜に珈琲を淹れたら、部屋中が珈琲の香りでいっぱいになった。窓を開けたら外は空気がピンと張り詰めたように冷えていたので思わず閉めた。珈琲を飲みながら、週末に行ったビオスの丘でチョコレートのような香りを放っていたシャリーベイビーという蘭を思い出す。カラッと晴れた日の木々の香りは癒し効果たっぷり。いい香りは映像よりも鮮明に覚えているから不思議。“匂いにつられる”という経験はきっと誰にもありますよね。すれ違った人の香水の香りで誰かを思い出したり、パンの焼ける匂いに辺りをキョロキョロしたりして。そして“いい香り”に反応すればするほどに対照的な“魅惑の香り”も恋しくなったりして。ワタシは無性に煙草の匂いが恋しくなります。近頃は健康志向や路上何とか法という条例で、喫煙者はめっきり減りましたからね。だからこそ恋しいのかもしれない。反動なのか衝動なのか、甘い香りを嗅ぐとニュートラルに戻そうとする。対照的な煙くて焼けたような匂いも嗅ぎたくなる。甘いケーキをブラックコーヒーでしめるような感覚に近い。味覚も環境も甘さばかりじゃダメなんだよね、きっと。甘いマスクに渋い仕草と煙草。う~ん、マンダム。男性の思わずドキッとする仕草を挙げれば“煙草を吸う手元”はきっと殿堂入り。「体に良くないんだろうけど・・」と少し悪びれながらも哀愁漂わせて一本箱から取り出すのは、大人になった今では思わず許しちゃうかも、そして気持ちも分かる。同列で言うと、酒の席の独特の匂いにもすっかり縁遠い生活になってしまったな・・と思う昨今。酔っ払った人の非日常な行動や、思わずポロッとこぼれた発言は、心根を知るキッカケになりますからね。そんな席に参加することや自ら率先して外に赴くことも色んな刺激を求めることも、広い意味で全ては“嗅覚”なんですよね。「あそこにいい事がありそうだぞ」「こっちには何があるんだろう」「おや、この匂いはどこから来るのかな」と能動的になること。勘を信じて行動すること。そういう“独特の嗅覚を持っている人”ってやっぱり魅力的だし引き寄せられます。あの人やこの人はどんな香りにつられるんだろう。 

Posted by おかっぱ at 09:33│Comments(0)
│ニチジョウ