2013年07月30日
群青。
ワタシを育ててくれた海に会いに行きました。小高い展望台からはジオラマのような小さな集落から、水平線に浮かぶ伊江島や本島まで見渡せる広大な景色が広がります。手前に広がるリーフ内では子供の頃よく泳いでいました。その日の潮の満ち干きや波の高さを小さな背丈で読みながら、少し深いところまで進んだり、危ないと思ったら浅瀬へ戻ったりして。浮き輪もゴーグルも保護者もいない状態で、よくもまぁ日暮れまで泳いだものです。今の自分が、我が子にも同じ事をしてやれるだろうか。溺れて覚える海のおそろしさ。飲み込む海水のしょっぱさ。群青の海に吸い寄せられる好奇心と恐怖感を。社会もワタシも今はそんな環境を与えてやれないな、きっと。そう思うとあの体験を与えてくれた親にも自然にも底なしの強さと懐を感じずにはいられません。
あの頃、群青の海の向こうに憧れていた思いはどこへ行ったのでしょう。手前のリーフ内でまだプカプカ漂っているのでしょうか。コバルトブルーの浅瀬から、ひとかきふたかきと不器用に泳いで外海に出たらどうなるだろう。流れも速くて、水温も冷たい群青の海。泳力も体力もあの頃よりは幾分ついたはずなのに、気力と行動力はかえって減ってしまったような。いかんぞ、ワタシ。子供の頃の自分がきっとガッカリしてるぞ。
成長して大人になって、身なりをキチンと整えて、社会に適応して、人それぞれの肩書きがあって、規律よくせわしなく過ごしていてく日々。みんなそうして生きています。社会はそうして構築されているはずです。でもこんなに天気がいいと、一瞬でも思い出しませんか。子供の頃の夏休み。島ぞうりで走り回った毎日。真っ黒に日焼けした自分と友達の笑顔を。わずかでも思い出したなら、その思い出を手放さないでくださいね。あなたはそこから来たのだから。もしかしたらそこですべてが形成されて、体が形を変えただけかもしれないしね。悲しいかな、ワタシがそうであることに今回気づきました。記憶の糸をたどって、少しだけ懐かしんでみる。大人の夏休み。

Posted by おかっぱ at 06:02│Comments(0)
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