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2014年02月26日

30年。

いつもと同じ日常のなか
とつぜん空から落ちてきた
一機の戦闘機
目の前が突如、火の海になり
あちこちから煙がたち
焼けこげた匂いと
逃げまどう人々

これはある少年の体験
ずっと胸に秘めていた記憶

時が経って
その少年は数十年後
「自分が生き残ってしまった」と
ボソッと私につぶやきました

そしてゆっくりと、しずかに
話しはじめます

「今になって思うよ、
忘れたい記憶でも
30年前くらいに
誰かに話すべきだった、って

人の記憶はあやふやになる
40年以上経つと忘れて
50年経つころには
もう記憶に自信もない

君だってそうだろう
オジイやオバアのことは
昔話として聴いてるだろう

だんだんそうなってくるんだ

実際に起こった出来事として
語り継ぐべきことは
30年、いや30年経つまでに
話すべきだと思う」

その後またゆっくりと
悲しい出来事を
話してくれたその人は
すこし涙ぐんで
一点を見つめうつむいた
そして
「やっぱりこれ以上は
もう無理だな・・」と
ふたたび口を閉ざしました

ふかく悲しい記憶と
それを詳細に話せる日の
最大公約数は30年
なのかもしれない

それぞれの胸にある
30年の記憶
すこしでも誰かに
話すことで
この先40年、50年と
語り継ぐことができる
思いを繋いでいける

私は聞きたい
どんな悲しいことでも
あなたが話してくれるなら

私も話そう
閉ざした思い出を
誰かが聞いてくれるなら
30年。



 




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Posted by おかっぱ at 00:27│Comments(0)ニチジョウ
 
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