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2014年09月16日

am5:00.

朝5時に歩いていました
真っ暗で外灯も頼りない
細くまっすぐな道は
普段歩いている道とは
また違った感じがして
ドキドキして怖かったです

こんな時間でもちらほらと
行動している人は見られ
新聞配達の自転車や
運転代行の業者さんも
車の傍らで立っていたり
そして私がすれ違った方のおおくは
空き缶や再利用紙をひろっていると
思われる方々でした

自転車で歩道を走りながら
ときどき足を止め、袋の中を物色し
空き缶がないとわかると
ふたたび自転車を漕ぎ出す男性

また別の人は
おおきな透明袋をなびかせ
袋にある数個のアルミ缶が
歩くたびにカロンカロンと鳴って
楽器を奏でているようでした

特に印象に残っているのは
マンションの前ですれ違った
ひとりの年配の女性でした
帽子のつばには花のポイントがあって
手袋にはレースがあしらわれていました
帽子も手袋も作業向けではなく
かといってウォーキング向けでもない
服装のポイントとして充分に主張していて
存在感あるアイテムでした

その女性は私がいると分かると
「おはようございます」と挨拶をし
その後、目に留まった袋を開け
その中から空き缶を取り出したのです
そしてビニール袋でもなく
自転車のカゴに乗せるでもなく
肩にかけていた布製バックの中に
そっと入れたのです
缶を入れたときに
中に入っていた空き缶にあたって
カロンと軽い音が聞こえました

身なりを整えた上品な女性が
朝の早い時間に空き缶を拾っている
一言では表現できない
なんとも言えない気持ちになり
その後しばらく歩いていても
どこを見て歩いたのか
よく分からなかったし
どうでもよくなっていました

普段歩く日中は
みんなどこかへ向かっていて
みんな前を向いて歩いています
でも夜明け前の歩道は違う
下を向いて何かを探して
それを拾ってまた歩くんです

どれも日常の一片で
どれも現実のこと

あの女性はきっと
素敵な手袋で空き缶なんか
拾いたくないはずでしょう
その心中を察するのさえ
余計なお世話で迷惑だと思います
でもそれでも
私は女性を見て思ったんです
すごいな、かっこいいなと
この場合どこでなにをしているかは
さして重要ではなく
大切なのはいつでもどこでも
自分の好みのレースをあしらった
手袋をして歩いていくこと
その姿を見て心から
美しくて品のある
素敵な女性なんだろうなと思ったんです

私だってこの先
どんな生き方するか分からない
誰だって先のことなんか
分かるはずもない
私もどんな時でも
素手でも軍手でもない
自分の好みの手袋で
何かを掴みしっかりと歩いていきたいな
そう思った朝でした
am5:00.






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Posted by おかっぱ at 16:47│Comments(0)キュウジツ
 
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