2013年10月30日
bo(ne)rn,
もうすぐ父の命日をむかえます。
ちょっとだけ想いを外にだしてみます。
父は体の筋肉がちいさくなっていく病に冒されていました。
横たわり、細くなり、声はなくとも、父は父でした。
心が清らかで、正直で、無邪気な父でした。
長い間、病とたたかったあと
父はなくなりました。
父が姿をかえ、煙となって空にのぼったとき。
地上には骨がのこりました。
そのときのことは今でも覚えています。
熱をおびて、しっかりとした骨。
頭のてっぺんから、足の指のさきまで、
ボロボロ欠けることなく、中がスカスカでもない
密度ある、たくましい骨がありました。
あんなに弱って、細くみえていた体の中には
こんなにしっかりした骨があったのか、と
心底おどろきました。
父がつよく生きた証をみました。
外見は変わってしまっていたけれど
体の中は病におかされていなかった、と
骨をみて確信しました。
たくましく生きよう、と思いました。
父の娘として、ひとりの人間として、
胸はって誇れるように。
涙もとまり、夢中で骨をあつめて
ありがとう、ありがとう、と何度も
心のなかで言いました。
どんな形になっても、おしえてくれる。
父ってすごいなぁ。
人間ってすごいなぁ。
生きるってすごいなぁ。
boneは骨。
bornは生まれる。
どっちもみんなもっている。
すごいね、ほんとすごいことだよね。
父ちゃん、ありがとう。

Posted by おかっぱ at 12:35│Comments(0)
│カゾク